スマホで浮気調査できる?行動履歴をチェックしよう
パートナーが浮気しているかもしれないと思った時、パートナーが自分の見ていないところで何をしているのか把握したいと誰もが考えるだろう。そうかといって、パートナーを付け回して行動を四六時中監視するわけにもいかず、 モヤモヤした気持ちを抱えながら不安な毎日を送るというのが、昔のパターンだったのではないだろうか? しかし、最近では、スマホの高機能化や便利なアプリの登場によって、以前は不可能だったパートナーの行動チェックもできるようになった。スマホには、ユーザーの個人情報や行動履歴、ネット検索履歴など様々な情報が残されているからだ。 実際、スマホの機能やアプリを使って、パートナーの行動を把握しようとする人もいて、それによって浮気を突き止められるケースもあるが、その方法には意外なデメリットもある。スマホを使った浮気調査のやり方とともに、そこに潜むリスクなどを解説していきます。
スマホの機能を使った行動履歴のチェック
スマホには、ユーザーにとって重要な場所を学習するために、最近訪れた場所や、そこに行く頻度、行った日時などの行動の履歴を保存する機能がある。「位置情報サービス」がオンになっていれば、常に行動履歴が記録され、ユーザーの同意の上で、そのデータをAppleなどのスマホメーカーに送信することで、ユーザーに合わせたサービスが提供されるという仕組みだ。
また、行動履歴という言葉は、ユーザーがスマホでどのようなサイトを検索したとか、どんなアプリを何時間ぐらい使ったかなど、スマホを操作した行動の履歴を指す場合もある。いずれにしても、スマホの行動履歴は、パートナーが浮気相手と密会した場所の情報や、マッチングアプリの使用状況などを把握するのに役立つはずだ。iPhone、Androidスマホの様々な機能と、行動履歴の確認方法をお伝えしよう。
iPhoneでのチェック方法
iPhoneの場合、位置情報サービスを利用した「利用頻度の高い場所」が端末に保存される。これは、ユーザーが最近頻繁に訪れている場所の情報で、アプリを使わなくてもiPhoneの「設定」からその情報を見ることができる。具体的な手順は、まず「設定」を開き、「プライバシーとセキュリティ」をタップ。次に、表示されたメニューの中から「位置情報サービス」をタップ。さらに、「システムサービス」をタップすると「利用頻度の高い場所」がメニューに現れる。
ここには直近1、2カ月の間に訪れた場所が記録されていて、何日の何時ごろそこを訪れたのかも表示される。自宅や通勤経路から遠く離れた場所にパートナーが何度も行っていたり、「今日は休日出勤」などと言っていた日に会社以外の場所に行っていたことがわかれば、浮気相手と密会していたことも考えられますね。
Androidでのチェック方法
Androidで位置情報を確認する場合、Googleマップの「ロケーション履歴」を利用する。パートナーのスマホのロケーション履歴がオンになっていれば、「タイムライン」から、過去に訪れた場所や時間、滞在時間、移動手段などの情報を調べることができる。その手順は、①ホーム画面から「GoogleMap」をタップ ②パートナーのアイコンをタップ ③メニューから「タイムライン」をタップ ④「カレンダー」から確認したい日付をタップ。これで、その日のパートナーの行動を調べることができる。
Googleマップには、このほかに「現在地を共有する」機能もあり、それを使えばパートナーのリアルタイムの位置情報を把握することも可能だ。ただし、そのためには、パートナーのスマホに現在地の情報を共有するURLを送信し、リクエストを承諾してもらわなければならないので、パートナーに内緒でこの機能を利用するのは難しいかもしれない。
iPhoneの「探す」機能
スマホには、紛失や盗難に遭った時に、家族などに端末を探してもらうための機能がついている。iPhoneの場合は「探す」だ。この機能を使うためには、パートナーと位置情報の共有をしなければならないが、「iPhoneを落とした時のために」などと言えば、パートナーも納得するかもしれない。位置情報共有の手順は、「設定」→「ファミリー」→「位置情報の共有」と進み、パートナーの名前をタップする。そして、位置情報を共有中であることを知らせるメッセージが届いたら、パートナーに情報共有を許可させるのだ。
情報共有ができていれば、「設定」→「自分の名前アイコン」→「探す」と進むと、パートナーの端末が「iPhoneを探す」のリストに表示されるはずだ。それをタップすれば、端末の位置が地図上に表示され、パートナーの現在位置を確認できる。位置情報の共有は停止することもできるが、行動確認をしたい日にパートナーのiPhoneの共有設定をオンにしておけばいい。
Androidの「デバイスを探す」機能
iPhone 同様、Androidにも「デバイスを探す」という機能がある。「android.com/find」にアクセスして、Android デバイスに設定している Google アカウントと同じアカウントにログインすると、「Google デバイスを探す」の画面のマップにデバイスのある大まかな位置が表示されるのだ。ただし、この機能を使うには、Google Play での表示、及び位置情報がオンになっていなければならない。また、「タイムライン」を見る際も同じだが、Google アカウントにログインした時点で、パートナーの端末に通知が行ってしまうので、あらかじめすべての通知をブロックする設定にしておかなければならないという難点がある。
iPhoneでの行動履歴確認
スマホでどんなアプリやwebサイトをどのぐらいの時間使っているかという利用状況を監視することもできる。iPhoneの場合は、「スクリーンタイム」という機能を使うのだ。その前準備として、パートナーのiPhoneで「設定」→「スクリーンタイム」と進み、「スクリーンタイムをオンにする」をタップ。各種の初期設定をする。以後は、スクリーンタイムにアプリやwebサイトの利用履歴が残るので、マッチングアプリを使っていたり、メッセンジャーアプリの使用時間が急に増えていたりする場合、浮気相手ができた可能性もある。
また、スマホにどんなアプリを入れているかをチェックするだけなら、スクリーンタイムを使わなくても、「App Store」から右上の人型のマークをタップし、「購入済み」を選択すれば確認できる。
Androidでの行動履歴確認
Android にも、「Digital Wellbeing」というスマホの使用状況を確認できる機能がある。「設定」の中に「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」というメニューがあるので、それをタップし次画面へ進むと、1日のうち何にどのくらいスマホを使っているのかが円グラフで表示される。さらに円グラフの中央近くをタップすると「ダッシュボード」が開く。「ダッシュボード」には、アプリやサイトの滞在時間など、細かな情報がすべて記録されているはずだ。また、パートナーのスマホのアプリを調べたいなら、Google Playストアを開いて画面左上部の三本線をタップし、マイアプリ&ゲームを選択すれば、アプリのインストール履歴が表示される。
スマホのロック解除方法
行動履歴をチェックするためには、まずパートナーのスマホのロックを解除して様々な設定を行わなければならない。使用しているスマホによっても異なるが、主なロック解除の方法にはパスワード、指紋認証、顔認証などがある。サービス向上に役立てたり、紛失や盗難に遭った時に端末を探し出したりするために、行動履歴や位置情報などがスマホに保存されているので、そのデータを活用すればユーザーの行動を把握することもできる。さらに、世の中にはスマホを遠隔操作するようなアプリも出回っていて、それを使ってパートナーの浮気を調査しようとする人も少なくない。 しかし、断りもなしにアプリをインストールしたりすると、慰謝料請求などの際に証拠として使えないばかりか、パートナーのスマホを勝手に操作したことがバレたら、大変なトラブルになりかねない。浮気問題をきちんと解決したいのであれば、法律をよく理解して合法的な範囲で手がかりを集めるとともに、それを探偵などの浮気調査のプロに提供して、法廷でも使える決定的な証拠を押さえるようにしよう。は、あてずっぽうに何回も数字を入力すると、スマホが使用できなくなってしまう仕組みになっている。しかし、Androidスマホには、パソコンとつないで強制的にロックを解除するアプリなども出回っているようだ。指紋認証式の場合は、比較的解除は簡単で、パートナーが熟睡している時にスマホに指を押し当てればいいだろう。
もっともハードルが高いのは顔認証式だが、機種によっては高精度の顔写真や動画を使ってロックを解除できるという話も聞く。さらに、パートナーの寝顔でロックを解除する方法もある。普通は目を閉じた状態では解除できないが、iPhoneなら設定画面の「Face IDとパスコード」から、パスコードを入力し、「Face IDを使用するには注視が必要」をオフに。Androidなら設定画面から「セキュリティ」→「顔認証」にアクセスし、「目を開く」をオフにすれば、それ以降、パートナーがパスワードを変えても寝顔でロックを突破できる可能性がある。
浮気調査に使えるアプリ
スマホに備わっている機能のほかにも、スマホの位置情報を活用してパートナーの行動をチェックすることができるアプリがたくさん出回っている。これらのアプリの多くは、盗難にあったり紛失した際にスマホを探し出すために作られたものだが、高性能で使い勝手もいいため、浮気調査に利用されるケースが増えているのだ。中には、位置情報を読み取るだけでなく、スマホを遠隔操作して写真や動画を撮影できるアプリもあるし、スマホにアプリが表示されないようにするなど、カモフラージュ機能を備えたものもある。浮気調査に使われている代表的なアプリをラインアップする。
「Life360」
Life360は、子どもの見守りを目的としたSNSアプリで、アプリ内でメンバーとサークルを作成し、サークルメンバーと位置情報を共有できる。トーク確認やボイスレコーダー機能などはなく、位置情報に特化したアプリだ。パートナーのスマホにアプリをダウンロードしなければならないが、「災害時の緊急連絡用に」などと言えば、ダウンロードを促しやすいだろう。また、このアプリには無料版があるのも嬉しい。過去2日分の移動履歴しか閲覧できないという制限はあるものの、コストをかけずにパートナーの行動を調査したいという人には向いているだろう。
「Track View」
Track Viewは、スマホを監視カメラとして利用できるアプリだ。アップルストアからパートナーのスマホにアプリをインストールし、Googleアカウントでログインすれば、相手のカメラを遠隔で操作することができ、浮気相手が誰なのかを確認できる。また、音声を録音することもできるし、スマホの位置情報をリアルタイムで追跡する機能もある。Track Viewには無料版と有料版があるが、相手の位置情報やカメラ機能だけ利用できればいいという人なら、無料版でも十分だろう。ただし、相手のスマホの通知設定をオフにしておかないと、通知が表示されてしまうので注意が必要だ。
「Cerberus」
Androidでしか使えないのが弱点だが、最強の浮気調査アプリとも言われるのが、「Cerberus(ケルベロス)」だ。このアプリは多彩な機能を備えていて、パートナーのAndroidスマホにインストールされていれば、iPhoneやパソコンからでも遠隔操作することができる。位置情報の取得はもちろん、カメラ機能や録音機能もあるので、パートナーが不審な場所にいる時に、その場所の写真を撮ったり、周囲の音を録音することで浮気を突き止められるかもしれない。さらに、ケルベロスにはカモフラージュ版も用意されていて、システムアプリのような仕様になっているため、端末に入っていても浮気調査アプリだと気づかれにくいという利点がある。
「mSpy」
mSpyは、位置情報の追跡をはじめ、テキストメッセージや通話履歴、保存された写真や動画の監視などが可能なアプリで、Android版だけでなくiPhone版もリリースされている。ケルベロスに似た仕様だが、プレミアムプランを利用した場合は、LINEやSNSのメッセージのやり取りも監視できる。LINEを見ることができる浮気調査アプリは数少ない上に、mSpyにはアイコンを非表示できる機能も付いている。しかし、mSpyを活用するためには、ジェイルブレイクやルート化などによって、パートナーのスマホにかかっている制限を非正規な方法で解除しなければならず、多くの手間がかかるのに加えリスクも大きい。
「Prey Anti Theft」
このアプリも、位置情報の追跡や遠隔でのスマホ操作が可能で、カメラを使って周りの風景やスマホを持っている人の写真を撮影したり、音声を録音したりすることができる。パートナーがスマホをどのように使用しているのかをリアルタイムで確認できるので、パートナーが怪しい行動をとっている時にアプリを起動すれば、浮気相手との密会の様子を押さえられるかもしれない。ただし、以前は偽のゲーム画面を表示させるなどのカモフラージュ機能が搭載されていたが、現在はなくなっているため、パートナーに気付かれる恐れもある。
「マルチICカードリーダー」
スマホに記録される位置情報を取得したり、スマホを遠隔操作するアプリとは異なるが、スマホを使ってパートナーの移動履歴をチェックできるアプリもある。その1つ、「マルチICカードリーダー」は、交通系ICカードの利用履歴を確認できるアプリだ(iPhoneのみに対応)。アプリを起動後、SuicaなどのICカードにスマホにタッチするだけで、パートナーのカードに記録されている利用履歴や残高が表示される。会社で残業や休日出勤をしているはずのパートナーが、遠く離れた場所を移動していたのだとしたら、家族には言えないような行動をしていたのかもしれない。
「位置偽装アプリ」に注意
浮気している者の中には、アプリなどで位置情報をチェックされることを警戒して、「位置情報偽装アプリ」をスマホに入れている者もいる。これはスマホのGPS座標を偽装することができるアプリで、もともとは「ポケモンGO」「モンハンnow」などの位置情報アプリゲームのユーザーが、遠方に足を運ばなくてもレアポケモンやレアモンスターを収集できるように開発されたものだ。しかし、当然のことながら、これらのアプリは浮気相手との密会場所を偽装するために使うこともできる。位置情報アプリゲームのユーザーでもないパートナーのスマホに位置情報偽装アプリが入っていた場合、何かやましいことをしている可能性も考えられる。
スマホを使った浮気調査のリスク
スマホのアプリには、パートナーの行動を丸裸にしてしまうほど強力なものもあるが、それらは個人情報を抜き取って利用しているものなので、本人に無断でインストールしたりするのは、当然ながら不法行為となる。また、浮気をしていれば、パートナーも用心して自分のスマホをチェックしているだろうから、浮気調査アプリが入れられていることに気付く可能性も高い。そうなったら揉め事になるだけでなく、罪に問われる恐れも出てくる。さらに、後々慰謝料の請求などをしたいと思った時にも、不法行為があだとなり、不利な立場に立たされてしまうことにもなりかねない。パートナーのスマホを勝手に操作して調査するリスクについて解説する。
行動監視のリスク①法律違反
パートナーに成りすましてネットのサイトにログインしたり、スマホにアプリをインストールしたりすると、様々な罪に問われる恐れがある。例えば、アクセス権限を持たない人が、他人のIDやパスワードを使ってサイトにログインする、浮気調査アプリを使ってスマホを遠隔操作するといった行為は、「不正アクセス禁止法」違反となり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる。
また、パートナーのログインIDやパスワードを不正に取得したら「不正取得罪」、位置情報を使った浮気調査アプリなどをパートナーのスマホに無断でダウンロードすれば「不正指令電磁的記録供用罪」に問われるリスクがある。そもそも浮気調査アプリの中には悪質なものも存在し、それをインストールしたことで逆に個人情報を抜き取られて、悪用されるケースもあるので、注意しなければならない。
行動監視のリスク②プライバシーの侵害
個人のプライバシーは法律によって保護されており、通話内容、メッセージ、位置情報などを本人の許可なく取得すれば、その人のプライバシーを侵したことになる。例えば、浮気調査のために、無断でパートナーのスマホのロックを解除して、保存された情報を見ることもプライバシーの侵害に当たる。
また、スマホを遠隔操作して、周囲の音を録音したり、写真や動画を盗撮したりするのもNGだ。現在のところ、盗聴行為に罰則はないが、盗撮については撮影罪や迷惑防止条例違反により処罰されるケースもある。プライバシーの侵害自体に刑罰が下されることはないが、名誉棄損で訴えられた場合、3年以下の懲役または禁錮、50万円以下の罰金が科せられる恐れがあることは頭に入れておいた方がいいだろう。
浮気を疑っていることがバレる
浮気をしている者は、当然そのことが家族にバレることを恐れているので、スマホの情報を家族に見られないようにしているだろうし、勝手にロックを解除されて浮気調査アプリなどを仕込まれていないか、チェックしたりもするだろう。浮気調査アプリには、カモフラージュ機能を備えているものあるが、そういう情報もネットで調べて知っていれば、簡単に見つけ出されてしまう。また、パートナーのアカウントでログインした時に通知が行かないように、通知設定をオフにしておいても、パートナーがそれに気づいて設定をオンに戻したら、すぐにバレてしまうに違いない。
そうなったら、パートナーはスマホに保存されている情報をすべて消去し、より巧妙な方法で浮気を続けるかも知れない。その段階で探偵などに浮気調査を依頼しても、上手く証拠をつかめないケースもあるのだ。
夫婦仲がこじれる
アプリなどを使ってパートナーの浮気が判明したのならまだいいが、パートナーがシロだった上に、勝手にアプリを入れられていたことがバレたら目も当てられないことになる。自分のスマホを無断でロック解除されて情報を見られたりしたら、誰しも「プライバシーを侵害された」と嫌な気分になるだろうし、浮気調査アプリを入れたということは、「パートナーのことを信用していない」という表れになる。それによって、長年築いてきた夫婦の信頼関係が壊れ、夫婦仲が一気に冷え切ってしまうことも考えられるのだ。
証拠として使えない
パートナーの浮気問題で、慰謝料の支払いなどを巡って交渉や訴訟になった時、裁判所に慰謝料請求を認めてもらうには、浮気の事実を裏付ける証拠を請求者側が提出しなければならない。その際、浮気の証拠として採用してもらえるのは、合法的な手段で入手したものだけだ。だが、前にもお伝えした通り、パートナーに無断でスマホを操作したり、勝手にアプリをインストールしたりして情報を抜き取った場合、プライバシーの侵害や不正アクセス禁止法に触れる違法行為をしたと見なされる可能性もある。そうなると、相手側の訴えや法的手続き次第で証拠として取り上げてもらなくなり、せっかく苦労して証拠をつかんだのに、すべて骨折り損になってしまう。
確実な証拠をつかむには
慰謝料などを請求するには、合法的な手段で手に入れた浮気の証拠が必要であることがわかった。しかし、仮にパートナーも承知の上で、スマホから行動履歴などの情報を入手したとしても、それが決定的な証拠にはならないケースもある。浮気問題をきちんと解決するためには、さらに強力な証拠を用意しておかなければならないのだ。行動履歴の法的な証拠能力について解説するとともに、交渉や裁判を有利に導くのに役立つ行動履歴以外の様々な証拠をピックアップしてみる。
行動履歴は決定的な証拠になるのか?
仮に、スマホの紛失・盗難時や災害時の居場所確認用にという名目で、パートナーの承諾を得て位置情報アプリなどをインストールし、それを使ってパートナーの怪しい行動を確認できたとしても、その行動履歴が浮気の決定的な証拠になるのだろうか? 結論から言うと、スマホの行動履歴情報は浮気の証拠としては弱い。
例えば、会社に行くと言っていた日にパートナーが別の場所にいたとしても、家族に隠してパチンコや競馬に行っていたのかもしれないし、スマホのカメラに異性が写っていても、「ただの友達」「上司と部下の関係」などと言い逃れされる可能性もある。スマホの行動履歴は、あくまでパートナーがいつ・どこにいたかを示すだけで、浮気していたことを裏付けるものではないのだ。
法的に有効な証拠とは?
では、裁判でも通用する法的に有効な証拠とは何か? 実は、法律用語には「浮気」「不倫」という言葉はなく、その代わりに「不貞行為」という用語が使われる。不貞行為とは、「配偶者以外の異性と自由意思で性的関係を結ぶこと」を指す。パートナーが不貞行為を働けば、夫婦の貞操義務に違反したことになり、それによって配偶者が受けた精神的苦痛に対して支払われるのが慰謝料なのだ。そのため、裁判で慰謝料の請求を認めてもらうには、パートナーと浮気相手が性的関係を結んだという証拠を提出しなければならない。2人がキスをするなど、親密にしているところを押さえただけでは、法的効力のある証拠とは言えないのだ。
証拠①LINEやメールのやり取り
パートナーのスマホのロックを解除できるなら、簡単にLINEやメールのメッセージをチェックできる。その中から浮気相手と思われる人物とのやり取りを見つけることができるかも知れない。ただし、そこに「愛している」「一緒に遊びに行こう」などと書かれていても、それだけでは2人の間に性的な関係があることは証明できない。一方、メッセージの内容が「あのホテルにまた2人で泊まろう」といったものであれば、性的関係があることが明らかになる。デジタルデータは改ざん可能と見なされるので、このようなメッセージを見つけたらアナログカメラでスマホの画面ごと撮影するのがいいだろう。
証拠②レシートや利用明細
ラブホテルや浮気旅行で泊まったホテルなどのレシートやクレジット明細も、性的関係を裏付ける証拠になる。パートナーも用心して、そういう証拠は残さないようにするだろうが、うっかり処分し忘れてポケットやカバンの底にレシートが残されているケースもないとは言えない。また、クレジットカードの利用明細は、自分がパートナーの家族会員であれば、カード会社の会員サイトでチェックすることも可能だ。明細に記載されている会社名をネットで検索すれば、その会社がラブホテルを運営していることが判明するかもしれない。
証拠③ドラレコ
パートナーが家の車を使って出かけている場合は、ドライブレコーダーをチェックするのもおすすめだ。ドラレコは、車の周囲の光景を記録するので、浮気相手を送り届けた家の前で抱き合っているシーンなどが映っているかもしれないし、車内での親密な会話が録音されていることも考えられる。パートナーが用心してデート中にSDカードを抜いていても、ドラレコ本体に録画データを保存する機種もある。車がラブホテルの駐車場に入っていく映像などが記録されていたら、もう言い逃れもできないだろう。
証拠④密会シーンの映像
浮気相手との性的関係を示す最も有力な証拠になるのが、2人がラブホテルに出入りするシーンを写真や動画に収めたものだ。ラブホテルは性行為をするための場所なので、そこを利用したということは、性的関係を持っていたという動かぬ証拠になる。しかし、一般の人がパートナーと浮気相手を見失ったり、気づかれたりせずに長時間に及ぶ尾行や張り込みを行うのは至難の業だ。さらに、暗闇の中でラブホテルに出入りする決定的な瞬間を、2人の顔がはっきりわかるように鮮明に撮影するためには、高性能の機材と高度な撮影技術が必要になる。決定的な証拠を押さえたいのなら、浮気調査の専門スキルを身に着けた探偵に依頼する方が確実だ。
証拠⑤探偵事務所の調査報告書
探偵は、通常2人1組になって交代しながらターゲットを尾行し続け、ラブホテルなどで張り込みを行うため、パートナーや浮気相手を見失うことなく、2人がホテルに出入りする決定的瞬間を押さえることができる。探偵は浮気調査を完了すると、その結果を「調査報告書」にまとめ、依頼人に提出する。この報告書には、ターゲットの行動が詳しく記されているのに加え、密会シーンを収めたDVDなども添付されているので証拠としての価値が高く、交渉や裁判を有利に運べる。
探偵社や興信所に調査を依頼するには費用もかかるが、パートナーのスマホから得られた行動履歴やLINEのやり取りなどの情報を探偵に提供すれば、密会場所を絞り込むこともでき、調査がスムーズに進んで費用を抑えることもできるでしょう。
まとめ
サービス向上に役立てたり、紛失や盗難に遭った時に端末を探し出したりするために、行動履歴や位置情報などがスマホに保存されているので、そのデータを活用すればユーザーの行動を把握することもできる。さらに、世の中にはスマホを遠隔操作するようなアプリも出回っていて、それを使ってパートナーの浮気を調査しようとする人も少なくない。 しかし、断りもなしにアプリをインストールしたりすると、慰謝料請求などの際に証拠として使えないばかりか、パートナーのスマホを勝手に操作したことがバレたら、大変なトラブルになりかねない。浮気問題をきちんと解決したいのであれば、法律をよく理解して合法的な範囲で手がかりを集めるとともに、それを探偵などの浮気調査のプロに提供して、法廷でも使える決定的な証拠を押さえるようにしよう。